2024年11月27日

「サッカー+地域おこし協力隊=地域づくり」(その2) 宮崎県新富町の地域づくり(2)

新富町総合交流センターきらり入口の写真 「第40回地域づくり団体全国研修交流会宮崎大会」第4分科会報告の続きです。
 11月2日午後は新富町総合交流センターきらりで研修しました(写真は建物入口)。この施設は生涯学習センターに位置付けられており、図書館や研修室がいくつかありました。カフェコーナーもあり、土曜日の午後でしたが、結構な数の利用者がいました。

 最初に新富町総合政策課職員から、サッカーを中心とする地域づくりの施策についての説明がありました。町長の講話に補足すると、サッカースタジアムは、J3テゲバジャーロ宮崎の主要株主だった会社が建設して、町に寄付しており、J1ガンバ大阪がスタジアムを建設して大阪府吹田市に寄付したのと同様の仕組みとのことでした。フットボールセンターは防衛省の補助金含め17億円で整備、サッカーの大会や合宿などで土日はかなり利用が埋まっている。町から施設の指定管理料は支出していないにも関わらず、昨年度は黒字になり、逆に町に寄付があったとのこと。町では人工芝の張り替えに備えて資金を積み立てている。企業版ふるさと納税では、ヴィアマテラス宮崎に関連する部分では、地域おこし協力隊の要件に合わない(地方から地方への移住)選手の経費、チームの活動費などを賄っているとのことでした。

ヴィアマテラス宮崎選手の事例発表の写真 次に、ヴィアマテラス宮崎選手の皆さんから、地域おこし協力隊の活動について説明がありました(写真)。選手としての練習や試合出場のほか、地域おこし協力隊の活動をしており、その活動は9つのグループに分かれて行っているそうです。
 広報課は紙媒体、Web媒体、YouTube、イベント課はホームゲーム、大会企画・誘致、役場・NPO連携、地域連携・ホームタウン、農業・施設管理、教育課は学校サポートというように班に分かれて活動しています。

 広報課では、紙媒体で手書きの「いっちゃが新聞」を毎月約5千部発行し、新富町内全戸に配布している。子ども向けの「こどもいっちゃが新聞」も約2千部発行、町内の学校に配布している。さらに、A3に拡大した新聞を役場や町内企業、コンビニに掲示している。自衛隊新田原基地にチームの掲示板を設けて、それらの新聞やチーム、試合の情報、SNSの投稿をピックアップしたものなどを掲示している。ホームゲームで配布するマッチデープログラムの作成、選手ののぼり旗、イベントのちらし、グッズなどを全て選手達がデザインから作っているのが特徴とのこと。
 Web媒体は、Xなど各種SNSを活用、イベントの告知などホームページの記事をベースに投稿しており、フォロワー数の目標や投稿計画を立て、ハッシュタグによる集客と認知の拡大を図っている。インスタグラムは試合やイベントのダイジェスト、YouTubeは新富町の街並み、選手の特徴・自己紹介、Facebookは選手のオフショットとブログ的な活用をしているという。TikTokはハイタッチや選手のダンスパフォーマンスの動画を投稿するなど、SNSごとに内容を分け、チームと町の魅力を最大限に発信するべく努力しているとのこと。

 イベント課では、地域連携・ホームタウン班は、地域のイベントへの出演、共同企画、スポンサー訪問、幼稚園や保育園への訪問といった活動のスケジュール管理や企画を行っている。清掃活動や挨拶運動なども行い、ファンの獲得を期待して活動しているとのこと。
 ホームゲーム班は試合のタイムスケジュール、スタジアムDJのアナウンス原稿作成、イベント出演団体とのやり取りを担当。何か月も前から計画的に準備しているとのこと。
 大会企画・誘致班は小学生チームのサッカー大会、カナダのチームを招いての交流会など自主大会やホームゲームの前座イベントなどを企画している。これまで、水鉄砲バトルやピッチのウォーキング、親子フットボール、サッカー教室などを行っているとのこと。
 役場・NPO連携班は個人向け、法人向けサポーターのチラシを作成、町内外の企業や施設に配布・配置し、ファンや来場客の獲得、認知度アップを図っている。さらに体操や防災講座・訓練、挨拶運動、小中学校訪問などの計画を立て、人員の振り分けを行っている。普段から、地域に貢献できることはないかと自ら探し、役場職員や地域の人との交流を増やしていく姿勢をとっているとのこと。
 農業班は、農家に研修に行っている。農業未経験者なので細かく教えてもらっているとのこと。野菜の栽培、トウモロコシの栽培からポップコーンの種づくりを行い、収穫したものはホームゲームで販売している。練習場の整備も専門家からレクチャーを受け担当しているが、経験が少ないので課題もあるという。

 教育課は今年から活動を始めている。きっかけは町長との面談で、ある選手が教員免許を持っていると話すと、学校への派遣が決まったとのこと。小学校では教員の補助や要支援児童のサポート、事務作業、中学校では体育授業の補助や事務作業を行っている。その縁で、同町富田中学校の吹奏楽部がホームゲームで演奏したそうです。
posted by ともぴー at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする